ソフトボール審判CASE10 ルールを覚えよう!(最終回)
写真と事例は関係ありません。
CASE10
・走者3塁で打者三振。球は捕手からピッチャーサークル内にいた投手に戻された。
ところが,捕手は,3死と勘違いをしてベンチに入ってしまった。
その間に3塁走者は,本塁に達した。
(当時の対応)
本塁に達した3塁走者を3塁に戻し,プレーを再開した。
このケースをルールブックとCASEBOOKから見てみます。
ルールブック8−6項14<効果>14<注4>
投手が球を持ってピッチャーズサークルに入った。走者が離塁できるのはどんな場合か。
①投手が球を手から離したり落としたりした時
②投手がピッチャーズサークル内から踏み出したり、外に出た時
③投手が走者に対して野手としてのプレイ(偽投含む)をした時
④投手がアピールプレイをしようとして球をピッチャーズサークルの外に出した時
CASEBOOK8−164
Q:3塁走者は三塁上にあり投手は球を持ってピッチャーズサークル内にいた。
この時捕手がタイムを取らないで投手の方に歩み寄ったため3塁走者は本塁へ向かって
走り出した。
A:投手がピッチャーズサークル内で球を持ち、3塁走者は、塁に触れている状況。
8−6項14<効果>14<注4>の離塁できる四つの状況に該当しないので3塁走者は離塁できない。
捕手が捕手席を空けたからといって3塁走者は本塁へ向かって離塁すれば
離塁違反。ボールデッド、アウト。
CASEBOOK8−158
Q:プレイが一段落して投手が返球を受けピッチャーズサークル内で球を手にした時
2塁走者は塁から離れていた。球を持った投手の両足がピッチャーズサークル内に
入っていた。
その時
①2塁走者は塁を離れたままかなり長い間いずれの方向へも動こうとしなかった。
②直ちに元の塁に戻った。
③直ちに次の塁に進んだ。
④直ちに次の塁に進み、一連の動作でそのまま進塁を続けた。
①は離塁アウト ②〜④はアウトではない。
今回のケースは、インプレー中のケース、3塁走者がどこにいたのかがポイントです。
塁を離れたところにいたのであれば,進むも戻るもできる。
塁についていたのであれば,離塁アウトです。
得点を認めるか離塁アウトかの2択です。
こういう状況の時,審判は,走者の位置を見ていただろうか?
結構微妙ですよね?きっと捕手がベンチに向かった瞬間,球審は
「まだチェンジじゃないよ!」と捕手の方を見ている。
塁審は,「おや?」とインジケータを見てアウトカウントを確認して,
「何が起きた?」と一瞬迷って、走者が走って初めて気がついて
「ダメダメ戻って!」とか言ってしまったのではないでしょうか。
どちらの監督もプロテストできるケースです。
チームもルールに精通していなければならないなあと感じた事例でした。
CASE10でとりあえず事例集のUPは一旦終了いたします。