[ルール&事例集]守備妨害じゃないの?インプレイです。の巻
写真は昨年の2種認定会実技試験の模様
今回少し難しいケースをご紹介します。令和4年のある大会でのケースでした。
仙台市協会研修会での紹介事例です。
【事例】
無死,走者2塁。打球が投手を直撃してショート前に弾かれた。ショートが
その打球を処理しようとしたところに2塁走者が,横切り,打球を蹴ってしまった。
その球は,そのまま3塁側デッドラインを越えた。
打球を蹴った走者は,自分でアウトだと思い,そのまま走り続けベンチに入って
しまった。
さて,どうジャッジしたでしょうか?
守備側、攻撃側双方からプロテストがありました。
〈守備側からのプロテスト〉
ショートの前で打球蹴ったのだから,その時点で守備妨害でボールデッド。
ショートに守備機会があった。走者はアウト。
打者走者には,1塁が与えられ,得点なし。一死,走者1塁で試合再開ではないか?
〈攻撃側からのプロテスト〉
投手に当たった球は避けることはできず、守備妨害ではない。
2塁走者がベンチに入ったのは,ボールがデッドラインを越えた
(ボールデッドになってから)後なので,打者走者と2塁走者には,
投球時から2個の安全進塁権が与えられる。
よって,得点1,無死,走者2塁で試合再開とすべきではないか?
〈審判の措置〉
2塁走者が,打球を蹴った時点ではボールインプレイ。
(守備妨害ではない)
ボールが場外に出た時点で,ボールデッド。
場外にボールが出たので,2塁走者と打者走者には,投球時から2個の安全進塁権が
与えられるが,2塁走者は,ベンチに入ってしまった時点でアウト。
得点なし,一死,走者2塁で試合再開とした。
ルール8-1項6〈効果〉6(1)
フェアボールがフェア地域上の審判あるいは走者の身体または衣服に触れた時。
(1)投手を含む内野手に触れたのち,または投手を除く内野手を通過したのちは
ボールインプレイである。
なお,ファウル地域上で審判員・走者に触れた時もボールインプレイである。
CASE 8-142
打球との接触を避けることができない状態でありインプレイである。
8-6項6
走者が塁を離れ,進塁する意思を明らかに放棄してベンチに入ったり,競技場外に
出た時
〈効果〉1〜6
ボールインプレイ,その走者はアウトになる。
8-3項(3)注
ボールインプレイ中,ボールデッド中問わず,ベンチに入ったり,境界線の外に出た
走者は,空過した塁やタッチアップの早すぎた塁に戻って触れ直すことは出来ない。
守備機会があったか否かの判断はいつも難しいですね。
弾いて走者に触れてしまった打球に対して
外野手に守備機会があったというプロテストがありましたが、
外野手には守備機会を適用しませんから
間違いのないように。
話は逸れますが、試合中のアクシデントで、選手が動けなくなったケース。
ホーム上のクロスプレーで捕手と走者が激突したとか、外野手同士が飛球を追って
激突し動けなくなったとか。
プレイヤーからタイムを要求されたりしますが、その後のプレーが
落ち着かないとタイムかけられないんで悩ましいです。
「インプレイ!」と審判は大きな声を出す
ことが必要と思います。
「勇気」が必要かなあ?